2010/1/5
JALが続伸、年金支給減額に社員の3分の2が同意、デルタとの提携決定は否定.
日本航空(JAL) <9205> が続伸し、前場終値は2円高の90円。出来高4097万株は東証1部第3位。 同社は4日時点で、現役社員で5割減、OBで3割減を目指す企業年金の支給減額案に対し現役社員約1万6000人のうち約1万700人が賛成し、減額に必要な3分の2以上の同意を得たことを明らかにしたことを好感している。 一方、OB9000人については約3分の1に当たる3000人が書面で同意。回答締め切りは12日で、あと1週間でOBの年金減額案賛成を3分の2まで集められるかが焦点になっている。企業年金削減は同社が公的支援を受ける前提条件。目先はこの問題が山になりそうだ。
また、米デルタ航空、米アメリカン航空と進める提携交渉にも動きが出ている。4日付読売新聞はJALと企業再生支援機構(ETIC)が、JALの資本・業務提携先に米デルタ航空を選び、航空連合(アライアンス)をワンワールドからスカイチームに移籍する方針を固めたと報道した。 JALは、「デルタ、アメリカン両社との交渉は継続中。そう遅くない時期に決めるが、現時点でどちらかに決めたという事実はない」(広報)と話すものの、実現すればスターアライアンスの全日空(ANA) <9202> 、ユナイテッド、コンチネンタル3社合計(約38%)を越え、日米間路線では圧倒的なシェアとなる(デルタ33%、JAL21%で合計54%)。国際線の旅客数回復が遅れるJALにとっては追い風だろう。
シティグループ証券は5日付サマリーで、デルタを選択した場合のメリットとして(1)今後のリストラにあたって、デルタのシェアによってアライアンスとしてプレゼンスを残しながらドラスティックに自身のキャパシティを減らすことが可能(2)シェアが大きいため、旅行代理店に対して優位な力関係を持つことができる――の2点を指摘。特に(1)の要因が大きいとした。なお、提携が実現すれば、スターアライアンスチームと同じように独禁法適用除外(ATI)を申請する可能性は高いともしている。
最もJALは記事を完全否定しており、提携先決定までまだ時間はかかりそうだ。市場からは、「日米航空自由化により、独禁法除外で組む米国航空会社選びまで混沌としているのが実情。JALはいろいろな面でタイミングを逸している」(準大手証券アナリスト)との声が出ている。
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